4. 抽象名詞
抽象名詞とは何か
4.1 抽象名詞の成り立ち
4.1.1 形容詞から派生した名詞
4.1.2 動詞から派生した名詞
4.1.3 注意すべき動詞から派生した名詞
4.2 抽象名詞を数える場合
4.2.1 抽象名詞も数えることがある。pieceを使う場合が多い。
4.2.2 抽象名詞にa/ anをつけて使われる場合 (話し言葉)
4.3 前置詞+抽象名詞
4.3.1 of+抽象名詞=形容詞of+抽象名詞は形容詞の働きをする。 (話し言葉)
4.3.2 with+抽象名詞=副詞
4.4 「~する人」(抽象名詞ではないが、名詞の派生語)
4.4.1 動詞+er(多数)
4.4.2 動詞+-ee
4.4.3 動詞+or
4.4.4 動詞+ar
4.4.5 名詞+ist(多数)
4. 抽象名詞
抽象名詞とは何か
性質・状態・動作・科目・運動の名前など、無形のものを表す語を抽象名詞という。
ⅰ)形がないから数で数えることができない。
ⅱ)単数、複数の区別がない。
ⅲ)複数形がない。
ⅳ)不定冠詞a, anをつけることがない。
Honesty is the best policy. 正直は最善の政策。(諺)
Necessity is the mother of invention.必要は発明の母。(諺)
Which do you like better, English or History? 英語と歴史とどちらが好きですか。
Girls like tennis better than baseball.女の子は野球よりテニスが好きです。
4.1 抽象名詞の成り立ち
4.1.1 形容詞から派生した名詞
形容詞+y
honest(正直な)>honesty(正直さ)difficult(難しい)>difficulty(困難)
形容詞+ness(多数)
ill(病気の)>illness(病気)sick(病気の)>sickness(病気)
happy(幸せな)>happiness(幸福)kind(親切な)>kindness(親切)
fresh(新鮮な)>freshness(新鮮さ)
形容詞+dom
free(自由な)>freedom(自由)wise(賢い)>wisdom(賢さ)
形容詞+th(形容詞部分も変化する場合が多い)
broad(幅が広い)>breadth(幅)long(長い)>length(長さ)
strong(強い)>strength(強さ)deep(深い)>depth(深さ)
wide(幅が広い)>width(幅)true(本当の)>truth(真実)
形容詞+ity
pure(純粋な)>purity(純粋さ)real(現実の)>reality(現実)
secure(安全な)>security(安全) vain(虚栄心の強い)>vanity(虚栄心)
-ble>-bility
able(能力がある)>ability(能力)possible(可能性がある)>possibility(可能性)
注:abilityは「人間の能力」を指し、possibilityは「ものごとの可能性」を指す。
-t>-ce
absent(欠席している、不在である)>absence(欠席、不在)
different(違う)>difference(違い)diligent(勤勉な)>diligence(勤勉)
important(重要な)>importance(重要性)
innocent(無罪の、潔白な)>innocence(無罪、潔白)
intelligent(知的な)>intelligence(知性)obedient(従順な)>obedience(従順)
patient(忍耐強い)>patience(忍耐)patientは「患者」という意味の名詞用法もあるので注意せよ。
present(出席している)>presence(出席、居合わせること)
silent(黙っている)>silence(沈黙)
-ous>ety
anxious(心配している、熱望している)>anxiety(心配、熱望)
various(様々な、変化に富んだ)>variety(変化、多様性)
その他
high(高い)>height(高さ)hot(熱い)>heat(熱)
poor(貧しい)>poverty(貧しさ)
proud(誇りに思う)>pride(誇り)
4.1.2 動詞から派生した名詞
動詞+ment(多数)
treat(~を扱う)>treatment(扱い)move(動く)>movement(動き)
disappoint(~を失望させる)>disappointment(失望[させるもの])
動詞+ion(多数)
act(行動する)>action(行動) decide(決める)>decision(決断)
destroy(~を破壊する)>destruction(破壊)
educate(~を教育する)>education(教育)
intend(~を意図する)>intention(意図)
receive(~を受け取る)>reception(人を迎えること、歓迎会)
satisfy(~を満足させる)>satisfaction(満足)
動詞+y
discover(~を発見する)>discovery(発見)
動詞+ure
fail(失敗する)>failure(失敗) please(~を喜ばせる)>pleasure(喜び)
動詞+ance[ence]
appear(~のように見える)>appearance(外見)differ(違う)>difference(違い)
prefer(好む)>preference(好み)refer(言及する)>reference(言及)
動詞と同形
present(~を贈る)>present(贈り物、プレゼント)
rise(上昇する)>rise(上昇) look(見る)>look(見ること)
-se>-ce
advise(~を忠告する)>advice(忠告)choose(~を選ぶ)>choice(選択)
-ve>-f(e)
believe(~を信じる)>belief(信念)prove(~を証明する)>proof(証明)
live(生きる、生活する)>life(生命、生活)
-ve>-val
arrive(到着する)>arrival(到着)approve(~を認める)>approval(承認)
-ceed>-cess
proceed(進む)>process(進行、過程)succeed(成功する)>success(成功)
動詞>-ight
fly(飛ぶ)>flight(飛ぶこと、飛行)see(~が見える)>sight(見えること、光景)
-ell>-ale
sell(~を売る)>sale(販売)tell(~を話す、告げる)>tale(話、物語)
その他
complain(不平を言う)>complaint(不平) die(死ぬ)>death(死)
do(~をする)>deed(行い)give(~を与える)>gift(贈り物)
know(~を知っている)>knowledge(知識)lose(~を失う)>loss(失うこと、損失)
marry(~と結婚する)>marriage(結婚)
serve(~に仕える、奉仕する)>service(奉仕、勤務)
think(考える、思う)>thought(考え)
4.1.3 注意すべき動詞から派生した名詞
attend
[他]~に出席する>attendance(出席)
She was in attendance to the meetings five times.
彼女は会議に5回出席した。
[自]注意して聞く >attention(注意)
Pay attention to what he says. 彼の言うことを注意してききなさい。
present
[動詞]~を贈る >present(贈り物、プレゼント)
[形容詞]出席している、居合わせている >presence (出席)
receive
1. (モノ)を受け取る >receipt(領収証、レシート)
2. (ヒト)を迎える、歓迎する >reception(迎えること、歓迎会)
4.2 抽象名詞を数える場合
4.2.1 抽象名詞も数えることがある。pieceを使う場合が多い。
a useful piece of information (1つの)有益な情報
a piece of advice 1つの忠告
a piece of news一つの知らせ
a piece of research /work, a bit /stroke of luck
a bit of advice ちょっとしたアドバイス
4.2.2 抽象名詞にa/ anをつけて使われる場合 (話し言葉)
① a help
My children are a great help to me.私の子供たちはよく手伝ってくれる。
A good map would be a help. すぐれた地図は、役に立つだろう。
② a relief
It was a relief to sit down.腰をおろしてほっとした。
③ a knowledge
He had a good knowledge of mathematics. 彼は数学について詳しい。
④ a dislike/ dread/ hatred/ horror/ love+ of
a love of music 音楽愛好家
I have a hatred of violence.私は暴力が大嫌いだ。
⑤ a mercy/ pity/ shame/ wonder→it に導かれるthat節を伴って使うこともできる。
It’s a pity you weren’t here.あなたがいなくて残念だった。
It’s a shame he wasn’t paid.彼が無償で働いていたなんて気の毒だ。
It would be a pity to cut down trees.木を伐採するなんて残念なことだろうよ。
4.3 前置詞+抽象名詞
4.3.1 of+抽象名詞=形容詞of+抽象名詞は形容詞の働きをする。 (話し言葉)
of value = valuable価値のある
of use = useful (of no use = useless)役に立つof no use = 役に立たない
of importance = important重要な
of interest = interesting面白い
4.3.2 with+抽象名詞=副詞
with ease = easily 簡単に
with rapidity = rapidly迅速に
with fluency = fluently流暢に
4.4 「~する人」(抽象名詞ではないが、名詞の派生語)
4.4.1 動詞+er(多数)
drive>driver employ(~を雇う)>employer(雇い主)
play>player rise>riser swim>swimmer
run>runner speak>speaker teach>teacher
4.4.2 動詞+-ee
employ>employee examine>examinee
4.4.3 動詞+or
act(演じる)>actor(役者、俳優)
4.4.4 動詞+ar
lie(うそをつく)>liar(うそつき)
4.4.5 名詞+ist(多数)
piano>pianist science(科学)>scientist(科学者)