3. 冠詞の反復・位置・省略
3.1 冠詞の位置
3.1.1 冠詞の普通の位置
3.1.2 普通の語順をとらない場合
3.2 冠詞の反復
3.2.1 2つ以上の名詞が同一の人や者を表すとき、冠詞は反復して用いない。
3.2.2 2個以上の名詞が一組のものを表すとき、冠詞は最初の名詞にだけつける。
3.3 単数普通名詞に冠詞がつかない場合
3.3.1 相手によびかけるとき
3.3.2 家族の成員やそれに準ずる親しい間柄を表す場合(多くこどもの用法)
3.3.3 神・悪魔など
3.3.4 身分・官職を表す語が固有名詞と同格のとき、また唯一の、あるいは特殊な目立った職務や地位を表す名詞が補語として用いられるとき。ただし、theがつくことはある。
3.3.5 as(~の資格で)の目的語として用いられる場合
3.3.6 建物・場所が本来の目的を表すとき
3.3.7 食事・運動
3.3.8 by+交通・通信手段を表す場合
3.3.9 kind (sort) ofに続く名詞は無冠詞
3.3.10 季節の区切りや、day、night、morning、evening、dawn(あけぼの)、dusk(たそがれ)などが時の一点(point of time)を表す場合; 一般的な意味合い
3.3.11 譲歩文の先頭に名詞が用いられる場合
3.3.12 新聞・書物の見出し語・掲示文句などの場合
3.3.13 名詞が実物を指さず、ただ名称として用いられる場合
3.3.14 慣用句
3. 冠詞の反復・冠詞の位置・冠詞の省略
3.1 冠詞の位置
3.1.1 冠詞の普通の位置
冠詞+副詞+形容詞+名詞
A very big man 大男
3.1.2 普通の語順をとらない場合
all,both, double, half, twice, quite, such, none, what(感嘆文)などがあるときには、それらの語の後におく。ただし、all, both, noneはof the~ともなる。(参考2-4-5)
All the students are girls. すべての学生は女の子だ。
Both (the) sisters are beautiful. 姉妹は二人とも美人だ。
The price of the land now is double the price of ten years ago. 今の土地の値段は10年前の2倍だ。
He gave me half a dozen pencils. 彼は私に半ダースの鉛筆をくれた。
I need twice the money I have so as to buy the house.
私は、その家を買うために持っているお金の2倍が必要だ。
His explanation was quite an unbelievable one. 彼の説明は極めて信じられないものだった。
I have never seen such a beautiful flower. 私はこんな美しい花を見たことない。
What a lovely doll that girl has! あの少女はなんときれいな人形を持っているのだろう。
as, how, so, too+形容詞+a[an]+名詞
It was too difficult a problem for me to solve.
それは私にとっては、難し過ぎて解くことがとてもできない問題でした。
3.2 冠詞の反復
3.2.1 2つ以上の名詞が同一の人や者を表すとき、冠詞は反復して用いない。
The poet and statesman is dead. その詩人兼政治家は死んだ。
The poet and the statesman are dead. その詩人と政治家は死んだ。
3.2.2 2個以上の名詞が一組のものを表すとき、冠詞は最初の名詞にだけつける。
a needle and thread糸を通した針 a horse and wagon 荷馬車
a cup and saucerカップとソーサー a watch and chain 鎖つきの時計
人にも使う
the president and first lady大統領とその妻 a bride and bridegroom 花嫁花婿
3.3 単数普通名詞に冠詞がつかない場合
3.3.1 相手によびかけるとき
Waiter, bring me a glass of water, please. 給仕さん、水を一杯お願いします。
What can I get you, madam? 奥様、何をお持ちしましょうか。
3.3.2 家族の成員やそれに準ずる親しい間柄を表す場合(多くこどもの用法)
Father is out, but Mother is at home. お父さんはいないが、お母さんがいる。
3.3.3 神・悪魔など
God, Lord 主 Heaven 天・神 Hell 地獄
Parliament /Congress 国会 Government 政府
などは最初の字を大文字で書かれると通例無冠詞。
Parliament /Congress tries to pass the pacifist charter. 国会は平和憲法を通そうとしている。
3.3.4 身分・官職を表す語が固有名詞と同格のとき、また唯一の、あるいは特殊な目立った職務や地位を表す名詞が補語として用いられるとき。ただし、theがつくことはある。
Elizabeth II, Queen of England 英国の女王、エリザベス二世
He was elected chairman. 彼は議長に選ばれた。
Mr. Smith is the principal of our school. スミス先生は我々の学校の校長だ。
They made him chairman of the committee. 彼らは彼を委員長に任命した。
He was elected Governor of Chiba Prefecture. 彼は千葉県知事に選ばれた。
ただし何人でもなり得るものには一般に冠詞を入れます。
After that, he became a reporter for the Times.
3.3.5 as(~の資格で)の目的語として用いられる場合
He was in attendance with me as interpreter. 彼は通訳として私と同席していた。
だしasが「~として考えれば」の意味のときは不定冠詞をつけます。
He has no equal as an interpreter. 通訳として彼に比肩するものはいない。
3.3.6 建物・場所が本来の目的を表すとき
go to school 学校に行く attend high school 高校に行く
go to church 礼拝に行く be in hospital (UK) 入院している
after school 放課後 be at sea 水夫である、乗船している
be in class 授業中である sent to prison 刑務所に送る
cf.建物自身を表すときは冠詞をつける。
We walked as far as the college. 我々は大学まで歩いた。
3.3.7 食事・運動
breakfast (朝食) lunch (昼食) tea (お茶)
play tennis before breakfast cf. 楽器はtheを入れる play the piano
3.3.8 by+交通・通信手段を表す場合
by air 飛行機で on foot 徒歩で by sea 船で、海路で
by train 電車で by letter手紙で by telephone電話で
by mail 郵便で by wire電報で by fax ファックスで
He went to school by bicycle. 彼は自転車で学校に行った。
3.3.9 kind (sort) ofに続く名詞は無冠詞
You must not read that kind of book. あなたはそんな本を読んではいけない。
This is a new kind of razor. これは新式の剃刀だ。
I don’t like this sort of person. 私はこういう人は好きではない。
3.3.10 季節の区切りや、day、night、morning、evening、dawn(あけぼの)、dusk(たそがれ)などが時の一点(point of time)を表す場合; 一般的な意味合い
Spring is over, and summer has come. 春が去り、夏が来た。
Day was dawning. 夜が明けてきた
Night was falling. 日が暮れてきた。
ただし、これらが特定の日・夜・季節を表すときにはtheをつけ、また単に普通名詞として使われるときにはa (an) をつけます。
I expect to spend the summer at Karuizawa. 私は(この)夏を軽井沢ですごそうと思っています。
during the spring 春の間に、 in the early fall 初秋に
the day after tomorrow 明後日、 the night before last 一昨晩
He spent a〔one〕summer in California. 彼はひと夏をカリフォルニアですごした。
Did you have a good night? よく眠れましたか。
3.3.11 譲歩文の先頭に名詞が用いられる場合
Scholar though he was, he didn’t know it. = Though he was a scholar, he didn’t know it.
彼は学者だったが、それは知らなかった。
3.3.12 新聞・書物の見出し語・掲示文句などの場合
Man dies after car hits light pole on Northwest Side
→ A man dies after the car hits a light pole on Northwest side.
車がノースウエストサイドの電柱にぶつかって男が一人死んだ。
contents 目次 introduction 序論 index索引
Entrance入口 Exit (またはWay out)出口 Emergency exit非常口
For sale売りもの House to let〔for rent〕貸家
3.3.13 名詞が実物を指さず、ただ名称として用いられる場合
“Straw mat” is the English for the Japanese “tatami”.
「ストローマット」とは日本語の「タタミ」に当たる英語である。
3.3.14 慣用句
二つの名詞が対をなしている場合(熟語である場合が多い)
from hand to mouth その日暮らし father and son 親子
hand in hand 手に手をとって from door to door 一軒ごとに
rich and poor 金持ちと貧乏人 young and old 老いも若きも
body and soul 心身 husband and wife 夫婦
from place to place あちこちに face to face 向かい合って
land and sea 陸と海 right and left 左右に
night and day 夜も昼も arm in arm 腕を組んで、
hand in hand 手に手をとって face to face 向いあって、
man to man 個人対個人として night after night 毎晩毎晩
day after〔by〕day 日ごとに word by〔for〕word 一語一語、逐語的に
from door to door 戸ごとに from morning till evening朝から晩まで
We sat side by side around the campfire.私たちはキャンプファイアのまわりに並んで腰をおろした。
In (the) old days people lived from hand to mouth. 昔は人々はその日暮らしの生活であった。
They are brother and sister, not husband and wife. 彼らはきょうだいで、夫婦ではない。
○「動詞+名詞」の場合
give way to 譲歩する take root 根づく send word 伝言する
The accident took place on September 18. その事件は9月18日におきた。
Take good care of yourself. お身体を大切に。
その他の成句
No admittance except on business. 無用の者入るべからず。
at hand 手近に at night 夜に by chance〔accident〕 偶然に
in person 自分で with child 妊娠して en (〔a:n〕= on) route (途中・旅行中に)