4. Mustの用法
4. Must
4.1 義務・強要 「~しなければならない」
4.1.1 義務・強要のmustとhave to
4.1.2 have got to have to よりもさらに口語表現
4.1.3 don’t have to, need not「~しなくてよい」
4.1.4 must の疑問文
4.1.5 mustの時制
4.2 [否定形で] must not 禁止 「~してはならない」
4.3 推量のmust
4.3.1 推量(強い確信) 「~に違いない」 否定はcan’t〈~のはずがない〉
4.3.2 過去の推量 must have+過去分詞 「~だったにちがいない」
4.3.3 推量のmust とhave got to の違い
4.4 叱責 reproach(英)=(米)have to
May/Might の意味は二つに大別できる
Mustの意味は2つに大別できる。
義務・強要 ~しなければならない 過去形はない(あるいはhad toを使う)
強い確信の推量 ~に違いない 過去形 must have p.p.
4.1 義務・強要 「~しなければならない」
I really must go now. 本当にそろそろ失礼しなくては。
You must refrain from smoking in the library.
図書館では喫煙をつつしまなければなりません。
4.1.1 義務・強要のmustとhave to
イギリスではどちらも使われるが、アメリカではhave to の方がより一般的
イギリスでの使い分け
must: 話し手の意志・命令などが含まれる場合に用いられることが多い、
話し手や聞き手の感情が入る
You must come home before dark. 暗くなる前に帰宅しないといけない。
I must stop smoking. (I want to.) 私は禁煙せねばならない→禁煙することを望んでいる。
have to:客観的な拘束による義務を表す場合が多い、
法律、規則などの周囲の環境から発生する義務
You have to hand in your report tomorrow.
あなたは明日レポートを提出しなくてはならない。
4.1.2 have got to have to よりもさらに口語表現
We’ve got to stay over a Saturday night to get the cheap flight.
安い航空券を得るために、土曜の夜を一晩滞在しなければならない。
Have (got) toの疑問文は、すでに決まっている未来にwill have to よりも好まれる。
Have you got to get up early tomorrow? 明日は早く起きなければなりませんか。
4.1.3 don’t have to, need not「~しなくてよい」
英 助動詞 need not / needn’t, don’t [doesn’t] have /need to
米 助動詞 need not [書], don’t [doesn’t] have /need to
英 I must go, but you needn’t come with me.
英米 I must (need to /have to/got to) go, but you don’t (have to/need to) come with me.
私は行かなくてはならないが、君は私に付き合わなくてよい。
英 You needn’t get a visa to go to Scotland.
英米 You don't need to get a visa to go to Scotland.
スコットランドに行くのにビザを取得する必要はありません。
4.1.4 must の疑問文
イギリス人は、聞き手が必要と考えることについて聞くために疑問文で"must"を使いうる。
・Must I clean all the rooms? (イギリス英語) 全ての部屋を掃除する必要がありますか?
・Do I have to clean all the rooms? (アメリカ英語)
mustの疑問文と答え方 = needの疑問文と答え方
Must I start now? 今、始めなければなりませんか。
Yes, you must. はい、しなければなりません。
No, you need not. いいえ、その必要はありません。
×No, you must not. 意味が違ってくる〈禁止〉いいえ、してはならない。
4.1.5 mustの時制
mustは、語形変化がなく、間接話法の従属節で過去時制としてmustをそのまま用いるほかは、現在時制にしか使わない。義務・強要の意味のmustの過去・未来・完了形にwill have toを使う。
I told her she must keep her door locked at all times.
私は彼女に四六時中、ドアに鍵をかけておかなければならないと言った。
He had to go to the dentist(‘s). 彼は歯医者に行かなければならなかった。
Did you have to walk all the way to the station?
駅までずっと歩かなければならなかったのですか。
You’ll have to decide what to do some day.
君はいつか何をすべきか決めなければならないでしょう。
We have had to wait for a long time. 我々は長い間待たなければならなかった。
4.2 [否定形で] must not 禁止 「~してはならない」
You must not smoke in this room. この部屋では禁煙せよ。
参考:イギリス人は、すべきでないことを言うときにも使う。must not のかわりにcannotを用いることができ、アメリカ英語ではcan't のほうが普通。
The government really mustn't/can't expect people to work hard for no money.
政府は人々にタダで一生懸命働くことを期待するべきではない。
4.3 推量のmust
4.3.1 推量(強い確信) 「~に違いない」 否定はcan’t〈~のはずがない〉
You must be joking! You can’t be serious. [カジュアル]
君は冗談を言っているのに違いない。君が真剣なはずがない。
There are lights in their house; they must be at home.
彼らの家には明かりがついている。彼らは家に居るに違いない。
否定文・疑問文にはcanを使って表現。
There's somebody at the door. Who can it be? (×Who must it be?)
玄関に誰かいる。誰かしら?
It can't be the postman at the door. It's only seven o'clock.
ドアに郵便配達人がいるはずがない。まだ7時なのだから。
参考:推定のmustを否定するときに、cannotを使うのが一般的。例外的に、イギリス英語ではneed not/don't have to が使われることもある。
英 'Look at those tracks. Those must be a dog's.' 'They needn't be; they could be a fox's.'
(It doesn’t have to とも言える)
「あの足跡を見て!あれは犬に違いない。」「そういうわけではない。キツネの可能性もある。」
参考:must とshould の違い
should はmust よりも弱い意味で使われる。
Ann must be at home by now. = I think she's certainly at home.
アンは今ごろ家にいるのに違いない。(100%)
Ann should be at home by now. = I think she's most likely at home.
アンは今ごろたぶん家にいるだろう。(十中八九)
4.3.2 過去の推量 must have+過去分詞 「~だったにちがいない」
= It is certain that S+過去形または現在完了形
= I am sure that S+過去形または現在完了形
He must have been there. 彼がそこに居たに違いない.
= It is certain that he was there.
= I am sure that he was there.
否定はcan’t have+過去分詞 ~だったはずがない
I must have been asleep. I didn’t notice him enter the room.
私は眠っていたに違いない。彼が部屋にはいるのに気づかなかった。
4.3.3 推量のmust とhave got to の違い
must とhave got to はどちらも推定(「~にちがいない」)の意味を表す。
推定のhave got to は、主にアメリカで使われているが、イギリスではあまり使われなかった。しかし近年は使われつつある。
You have got to be joking. (英米) = You must be joking. (英) まさか、冗談でしょう?
This has got to be the worst job in the world. = This must be the worst job in the world.
これは最悪の仕事に違いない。
4.4 叱責 reproach(英)=(米)have to
Must you have that music so loud? その音楽をそんなに大きな音で流さなければならないの。
=Do you have to
Why must people always park right in front of our drive(way)?
なぜ家の私道の前に人がいつも車を止めなきゃいけないの!?
Why do people always have to park here?
なぜ人はここに駐車しなければならないのか。