8. 所有格
8.1 所有格の作り方
8.1.1 単数名詞の所有格
8.1.2 複数名詞の所有格
8.1.3 固有名詞の所有格
8.1.4 複合名詞の所有格
8.1.5 複合代名詞の所有格
8.2 所有格の意味・用法
8.2.1 所有(最も一般的な用法)
8.2.2 所属・関連
8.2.3 動作・状態の主体
8.2.4 動作の対象
8.2.5 性質・特色・対象・目的・用途(形容詞的に用いる)
8.2.6 長さ・時間・距離など
8.2.7 所有・種類
8.2.8 関係
8.2.9 肉体的特徴
8.2.10 生物の部分
8.2.11 物の由来(特に動物)
8.4 独立所有格
8.5 二重所有格 32
8. 所有格
8.1 所有格の作り方
原則として、所有する主体が、人、国、動物、組織の時は、~’sの形を使う。
→8-3との比較
8.1.1 単数名詞の所有格
原則として名詞の語尾に~’s(アポストロフィーs)をつける。
the boy’s deskその少年の机
television’s futureテレビの将来
50’s 50代
8.1.2 複数名詞の所有格
~sで終わる複数名詞には発音の都合上~’sがつけられないので、「’」(アポストロフィー)
のみをつける。~s以外の語尾で終わる複数名詞には単数名詞の場合と同様に~’sをつける。
ladies’ shirt婦人用シャツ
men’s coats紳士用上着
8.1.3 固有名詞の所有格
基本的には語尾に’sをつけるが、’sをつけると発音しにくくなる場合には「’ 」のみをつける。
John’s deskジョンの机
Moses’ prophecyモーゼの予言 ※モーゼ:Moses[mouziz]
8.1.4 複合名詞の所有格
最後に~’sをつける。
My sister‐in‐law’s house私の義理の姉[妹]の家
複数形の場合との違いに注意!(→7-4)
8.1.5 複合代名詞の所有格
each other’sお互いの
They took each other’s hands.彼らはお互いの手を取り合った。
somebody else’s他の誰かの
This is not mine but somebody else’s.これは私のではなくて誰か他の人のだ。
8.2 所有格の意味・用法
8.2.1 所有(最も一般的な用法)
my husband’s car私の夫の車 ≒the car which my husband owns
8.2.2 所属・関連
his son’s school彼の息子が通う学校
8.2.3 動作・状態の主体
the boy’s actionその少年がとった行動
my mother’s death母の死去
8.2.4 動作の対象
the hostage’s release人質の解放
※ どの用法の所有格なのかその箇所だけでは判断できない場合もある。
例 my father’s picture
父が所有する写真(a picture of my father’s, a picture which my father owns)
父を写した写真(a picture of my father)
父が写した写真(a picture taken by my father)
8.2.5 性質・特色・対象・目的・用途(形容詞的に用いる)
a summer’s day古い表現 夏の日普通は a summer day
a girls’ school女学校 =a school for girls
8.2.6 長さ・時間・距離など
ten days’ absence10日間の欠席
two weeks’ notice =Notice of two weeks 2週間前の警告
today’s news 今日のニュース
yesterday’s political party 昨日の政治パーティー
twenty minutes’ delay 20分の遅れ
8.2.7 所有・種類
women’s clothes 婦人服
a child’s bicycle 子供自転車
Tom’s hair トムの髪の毛
seniors’ discount 高齢者割引
8.2.8 関係
Robert’s grandmother ロバートのおばあさん
Jane’s boyfriend ジェーンのボーイフレンド
8.2.9 肉体的特徴
Billy’s personality ビリーの人格
Ron’s weight ロンの体重
8.2.10 生物の部分
an elephant’s trunk 像の鼻
the man’s arm その男の腕
the bird’s wing 鳥の翼
8.2.11 物の由来(特に動物)
cow’s milk 牛の乳
chicken’s egg 鶏の卵
sheep’s wool 羊のウール
8.3 of ~ と所有格
無生物の所有を表す際はof ~ を用いるのが原則。
the front of the buildingその建物の正面
(△ the building’s front)
the roof of the houseその家の屋根
(△ the house’s roof)
ただし、さほど厳密に守られているわけではなく、
「今日のニュース」はtoday’s news
「明日の天気」はtomorrow’s weather
「10分の休憩」はten minutes’ break/ a ten-minute break
「2時間の遅刻」はtwo hours’ delay/ a two-hour delay(こちらの方が普通)
8.4 独立所有格
反復を避ける、わかりきっている、などの理由で所有格の後の名詞を省略することがある。これを独立所有格という(ただし、名詞部分を含みこんだ所有代名詞とする考え方もある)。
・a/the baker’s/butcher’s/chemist’s/florist’s などは~’の跡にshopが省略されている。
・a/the house agent’s/travel agent’sの後には、officeが省略されている。
・the dentist’s/doctor’s/vet’sのあとには、surgeryが省略されている。
You can buy it at the米pharmacist’s 英 chemist’s (shop). 薬屋さんで、それを買えますよ。
My car runs faster than Tom’s (car). 私の車はトムのよりも速く走る。
I went to the barber’s (shop) yesterday.昨日私は床屋へ(散髪に)行った。
※ I went to the barber yesterday. とすると、「その理容師のところに行った」という意味になり、散髪をしに行ったという意味にはならない。
人も名前にアポストロフィーをつけたものは、「~の家」をあらわすこともある。
We had lunch at Bill’s. =We had lunch at Bill’s house.
We met at Ann’s. =We met at Ann’s house.
8.5 二重所有格
所有格は指示代名詞(this, that, these, those)、不定代名詞(some, any, noなど)、疑問代 名詞、冠詞と隣り合わせに並べて使うことはできないので、これらのものを名詞の前につ ける際には所有格は用いないで代わりにof + 所有格 を名詞の後につける。これを二重所有格という。
「トムの何人かの友達」
(×) Tom’s some friends / some Tom’s friends
(〇) some friends of Tom’s
「ジョンのこのカメラ」
(×) John’s this camera / this John’s camera
(〇) this camera of John’s
※ 次の例を比較せよ。
a painting of my brother’s弟が描いた絵、弟が所有する絵
a painting of my brother弟を描いた絵
(of~が所有の意味を表すのは~が無生物の場合であることに注意)
a painting by my brother弟によって描かれた絵