3. 分詞の副詞的用法「分詞構文」
3.1 2つの主語(主節と従属節の主語)が一致している場合の分詞構文の作り方
3.1.1 条件( if )
3.1.2 時( when, while, as, etc.)
3.1.3 理由( as, because, since, etc.)
3.1.4 譲歩( although, though, even if, etc. )
3.1.5 付帯状況 ~しながら
3.2 2つの主語(主節と従属節の主語)が違う時の分詞構文の作り方
3.2.1 条件
3.2.2 時
3.2.3 理由
3.2.4 譲歩
3.2.5 連続用法
3.2.6 附帯状況
3.3 分詞構文の諸注意
3.3.1 否定文の分詞構文⇒Not, Neverは分詞構文の前に出す
3.3.2 there is ~を含む副詞節は、分詞構文にする時thereを分詞の前に置く
3.3.3 天候と独立分詞構文の注意
3.3.4 分詞構文の位置
3.3.4.1 時・理由・条件・譲歩は文頭が普通
3.3.4.2 連続用法は一般に意味上の軽いほうが分詞構文になり、時間的には先に起こるほ分詞構文
分詞構文とは、接続詞を含む副詞節を副詞句にすることを意味する。従って分詞は接続詞と動詞の働きを兼ねることになる。分詞構文全体は「条件・時・理由・譲歩・連続動作・付帯状況」などを表す。分詞構文は、分詞の副詞的用法である。
※:分詞構文とは「接続詞+主語+動詞」を「~ing」に書き換えた構文であり、接続詞も主語も隠れてしまう為に、扱いには注意が必要である。特に、接続詞を含む副詞節の部分と主節の部分に於いて、①主語が異なる時、②時制が異なる時、③副詞節の部分が否定文の時、には特に注意が必要である。
3.1 2つの主語(主節と従属節の主語)が一致している場合の分詞構文の作り方
⇒副詞節の接続詞と主語を省き、動詞を現在分詞に変える
3.1.1 条件( if )
If they are used properly, some poisons prove effective.
↓ ↓ ↓ 毒も正しく使われれば、役に立つものもあるのが分かる。
× × Being usedの形にする 従属節の接続詞と主語を取る
(⇒ Being used properly, some poisons prove effective.) フォーマルな文章
一般にBeingは会話では省略されるので、Used properly, …となる。
⇒ Used properly, some poisons prove effective.
※:分詞構文は接続詞が表示されていない為に、「条件」の意味を明確にしたい場合には、
If used properly,…. と、接続詞を残してもよい。
3.1.2 時( when, while, as, etc.)
When I was walking along the street, I happened to meet an old friend of mine.
↓ ↓ ↓動詞を 私は町を歩いている時に、偶然旧友にあった。
× × Walkingの形にする 従属節の接続詞と主語を取る
⇒ Walking along the street, I happened to meet an old friend of mine.
過去に起きた事柄・イベントについて話すときに使う
※:分詞構文は接続詞が表示されていない為に、「時」の意味を明確にしたい場合には、「条件」の場合と同じように、接続詞 when や whileを分詞の前に残してもよい。
While surfing the Web, I happened to see my friend’s Web page.
インターネットをやっている間に、私はたまたま友達のホームページを見つけた。
3.1.3 理由( as, because, since, etc.)
As I live in the countryside, I seldom have visitors.
↓ ↓ ↓動詞を 私は田舎に住んでいるのでめったに来客がない。
× × Livingの形にする 従属節の接続詞と主語を取る
⇒ Living in the countryside, I seldom have visitors.
3.1.4 譲歩( although, though, even if, etc. )
Although we grant this to be true, we cannot explain it.
↓ ↓ ↓動詞をこれが事実であることは認めるが、説明はできない。
× × Grantingの形にする 従属節の接続詞と主語を取る
⇒ Granting this to be true, we cannot explain it.
※:「譲歩」は分詞の前に接続詞thoughを置くのがふつう。上記の例文のような「譲歩」の例は極めて稀であり、殆どの場合がイディオム的に使われる表現である。 [4.1.7]参照。
Admitting what you say, I don’t think it effective.
あなたの言うことは認めるが、それが効果的だとは思わない。
3.1.5 付帯状況 ~しながら
The girls sat on the grass, seeing the first sunrise of the year.
女達は初日の出を見ながら、草の上に座っていた。
Smiling pleasantly, a policeman came closer as if to speak to me.
愛想よくほほえみながら、警察官が私に話しかけようとするかのように近づいて来た。
3.2 2つの主語(主節と従属節の主語)が違う時の分詞構文の作り方
〈独立分詞構文〉⇒ 副詞節の主語を残し、動詞を現在分詞に変える。
3.2.1 条件
If the weather permits, we will start on next Sunday.
↓ ↓ ↓ 動詞を 天気がよければ次の日曜日に始めます。
× x Weather permittingの形にする 従属節の接続詞を取り主語は残す
⇒ Weather permitting, we will start on next Sunday.
※ :weather permitting「天気がよければ」はイディオム的な慣用。
3.2.2 時
As night came on, we turned back to our hotel. 夜になったので、私たちはホテルに戻った。
↓ ↓ ↓動詞を
× Night comingの形にする 従属節の接続詞を取り主語は残す
⇒ Night coming on, we turned back to our hotel.[書]
3.2.3 理由
Because the rain began to fall heavily, we took a taxi. 雨が激しく降り出したので、我々は
↓ ↓ ↓動詞を タクシーに乗った。
× The rain beginningの形にする 従属節の接続詞を取り主語は残す
⇒ The rain beginning to fall heavily, we took a taxi.[書]
3.2.4 譲歩
Though I opposed his plan, he insisted on carrying it out .
↓ ↓ ↓動詞を
× I opposingの形にする 従属節の接続詞を取り主語は残す
⇒ I opposing his plan, he insisted on carrying it out.[書]
私は彼の計画に反対だったにもかかわらず、彼はそれを実行すると言って聞かなかった。
3.2.5 連続用法
We all started on a picnic, and only Father remained at home.
↓ ↓ ↓ 動詞を
接続詞を取り主語を残す × only Father remainingの形にする
⇒ We all started on a picnic, only Father remaining at home.[書]
達は皆ピクニックに出かけ、父だけが家に残った。
3.2.6 附帯状況
The girl was sitting on the chair, and her dog was waiting for her to feed it.
↓ ↓ ↓動詞を
接続詞を取り主語を残す × her dog waitingの形にする
⇒ The girl was sitting on the chair, her dog waiting for her to feed it.[書]
の少女は椅子に座っていた、そして彼女の犬は彼女に餌をもらうのを待っていた。
3.3 分詞構文の諸注意
※従属節の時制が主節の時制よりも以前を表す時の分詞構文(完了分詞構文)については、次章[4.1.2]で扱う。
3.3.1 否定文の分詞構文⇒Not, Neverは分詞構文の前に出す
Because she did not know what to say, she remained silent.
彼女は何と言ってよいのかわからなかったので、黙っていた。
⇒ Not knowing what to say, she remained silent.
Because I hadn’t seen her for decades, I couldn’t recognize her at all.
私は今までに彼女に何十年も会っていなかったので、彼女だと全く判らなかった。
⇒ Not having seen her for decades, I couldn’t recognize her at all.
As I have never been to New York, I don’t know what it is like to live there.
⇒ Never having been to New York, I don’t know what it is like to live there
私はニューヨークに行ったことがないので、そこに住むのがどういう感じなのかわからない。
3.3.2 there is ~を含む副詞節は、分詞構文にする時thereを分詞の前に置く
As there were no taxis at midnight, I had to walk home.
真夜中にタクシーがなかったので、歩いて家に帰らなければならなかった。
⇒ There being no taxis at midnight, I had to walk home.
3.3.3 天候と独立分詞構文の注意
As it is rainy today, I will stay at home. 今日は雨が降っているので、家にいます。
⇒ It being rainy today, I will stay at home.
注意:問題で Being rainy today, I will stay at home. の間違い探しの場合は
Being rainy → It being rainyにする
3.3.4 分詞構文の位置
3.3.4.1 時・理由・条件・譲歩は文頭が普通
※:脈絡により、例外もしばしば見られる。下記は例外の例。
The man, living in the nineteenth century, would have been a hero.
その男がもし19 世紀に生きていたら英雄になっていただろうに。
The couple, haunted by the idea of trying to commit suicide, came to their senses.
そのカップルは、自殺をしようかという考えに取り憑かれていたが、正気を取り戻した。
3.3.4.2 連続用法は一般に意味上の軽いほうが分詞構文になり、時間的には先に起こるほうが前に来る。
Entering the room, she turned on the light. 部屋に入ると彼女は明かりをつけた。
She entered the room, turning on the light. 彼女は部屋に入って、明かりをつけた。